僕が蕎麦の修行に行き、滝見屋の蕎麦を打ち始めた時には、爺ちゃんは施設に入所していました。だから、僕の打った蕎麦を食べたことがなかったんです。
『ツルツルした蕎麦が好きだ』と言っていた爺ちゃん。
蕎麦をお供えして、昨日 棺の中に蕎麦を一緒に入れました。
僕の打った蕎麦を旅の途中で食べてもらえると嬉しい。孫の僕が今打てる最高の蕎麦。ツルツルの蕎麦になってると思います。
90歳くらいまで滝見屋の蕎麦を打っていた爺ちゃん。とんでもなく長い間、本当にありがとう。
僕の蕎麦打ちの旅は始まったばかり。まだまだいろんなことがあると思います。
爺ちゃんの残してくれた道具を使って、切らさず、繋いでいきます。
僕の蕎麦がこれからの滝見屋の味に。もっと美味しい蕎麦を目指し、打ち続け、明日からまた、暖簾を掛けます。
松之山温泉 滝見屋 高澤平