本日の最初のお客様は、名ヶ山にある『そば屋 清兵衛』の親父さん家族。
親父さんが僕の打った蕎麦を食べるのは、初めてだと思います。
僕に玄蕎麦、蕎麦粉、石臼、ふるいのことから、打ち方まで、蕎麦のことを教えてくれたのは、清兵衛の親父さん。
そして、清兵衛の皆さんにいろんなことを、今だに教わっています。
僕は、天ぷらと和食の修行をしてきましたが、蕎麦の修行はしてきませんでした。
帰ってきた当時は、じいちゃんが蕎麦を打ってましたし、その後、親父が打ってましたから。
その親父が、体調を崩して蕎麦が打てなくなった数年前。
蕎麦屋の倅ですが、蕎麦が打てないと。
追い込まれましたよね…。
突然、蕎麦を打たなせればならなくなりましたから。
そんな時に、清兵衛の親父さんを紹介してもらえたんです。
『全部教えてやるから』
と、同業者である僕に、全てを教えてくれたんです。
しかも、ど素人の僕に、『打たなきゃ覚えないから』とどんどん打たせてくれたんです。
そのおかげで、僕は蕎麦を打てるようになりました。
今日、親父さんが僕の蕎麦を食べて、
『うちと一緒だなぁ』と。
これは、ホントに嬉しい一言です。何よりも嬉しいです。
けど、やっぱり緊張しました。試験じゃないんですけど…やっぱり、いつもと違う緊張感でした。
同じ粉を使っても、道具や量が違うと上手くいかないんです。
もっととっと、上手く打っていきます。
もっと技術を研磨して、美味しいそば打ちます。
ホッとした、そして、やっぱり嬉しかった5代目です!!